海外出張に持って行くカードの種類は?クレジット vs デビッド vs プリペイドの違いを理解する!
2016/07/02
クレジット vs デビット vs プリペイド
海外出張時に、お店でのショッピングや、ATMでの外貨引出しにつかえる「カード」には、大きく分けて、「プリペイドカード」、「デビットカード」、「クレジットカード」の3種類があります。
それぞれの大きな違いは、カード所有者が実際に支払いをするタイミングの違いです。端的に言ってしまうと、
- プリペイドカードは、「事前」に自分で入金しておいて、入金した金額まで使える
- デビットカードは、使った時に使った金額だけ「即時」に自分の銀行口座から引き落とされる
- クレジットカードは、「信販会社」が立替払いをしてくれるので、「後日」に自分の銀行口座から代金を引き落としされる
ということです。
したがって、プリペイドカードやデビットカードは、16歳以上であれば審査も必要なくカードをつくることができる一方、クレジットカードでは年収や資産状況に関する審査が必須になります。
こう整理してしまうと、では借金になるクレジットカードはやめておいて、プリペイドかデビットをつくろうかな、となりがちですが、“お得なカード”という観点では少し選択肢が違ってきます。
それぞれのカードサービスの提供会社はどこで儲けているのか?
“お得なカード”について考える前提として、それぞれのカードサービスをどんな会社が提供していて、その会社はどこで利益を得ている、考えてみましょう。
まずはどんな会社が、それぞれのサービスを提供しているかというと、
- プリペイドカードは、「この決済の仕組みを構築して運営している会社」
- デビットカードは、引き落としされる銀行口座を管理している「銀行」
- クレジットカードは、立替払いをしてくれる「信販会社」
では、次にそれぞれの会社が、どこで利益を得たいと考えているかというとと、(わたしの推測も入ってますが)だいたいこんな感じではないか、と思います。
- ・プリペイドカード: システム運営会社としては、決済システムの利用料として、カード所有者から利益を回収したい
- ・デビットカード: 銀行としては、顧客囲い込みの一環としてサービスを提供しており、いずれ住宅ローンなどを利用してほしい
- ・クレジットカード: 信販会社としては、顧客を囲い込んで、ショッピングのリボ払いやキャッシング利用者から利息を得たい。顧客層を広げて、多くのお店が受け取る加盟店料も増加させたい(また、お店の側でもポイント還元などでこれら顧客層を自社サービスの利用者としてに囲い込みたい)
カードの種別による為替手数料率の違いなど
ちなみに、以下の表は、各カードの年会費・為替手数料などの傾向をまとめたものです(いちおう実際のデータを参考にしていますが、ある程度の目安です。また、適用レートは各社で異なるもが、おおむね市場レートと同じくらいです)
これをみると、プリペイド~デビット~クレジットの順で、カード入手のコスト(年会費、審査)は低いが、利用時ののコスト(利用手数料、為替手数料)が高い。また、クレジットカードでは、ヘビーユーザーによる利息収入を見込んでいる。といったことが言えそうですね。
プリペイドカード | デビットカード | クレジットカード (キャッシング) | クレジットカード (ショッピング) |
|
---|---|---|---|---|
年会費 | 無料 | 無料~1,000円 | 無料~数万円 |
|
利用手数料/回 | 216円 | 216円 (無料もあり) | 無料 (ATMによっては有料) | 無料 (店によっては追加チャージ) |
為替手数料 | 基準レート +1.0~5.0% | 基準レート +1.5~3.0% | (手数料なし) | 基準レート +1.3~2.0% |
支払利息 | - | - | 年率18% (約1.5%/月) | 一括払いなら手数料なし リボなら年率18%(約1.5%/月) |
ポイント還元 | ほぼなし(マネパカードのみあり?) | 0.2~2.0%くらい | - | 0.5~10%くらい |
保険 | - | ショッピング保険(一部、旅行傷害保険) | ショッピング保険、旅行傷害保険 |
まとめ
海外出張で継続的に利用する立場でいくと、クレジットカードのキャッシング(かつ、繰上返済で利息を抑える)か、もしくは、クレジットカードのショッピングでポイントを貯める、というのが一番有利な選択肢、といえそうです。
実際に、私は、クレジットカードを複数枚もちつつ、予備としてデビットカードを1枚持っており、現地の空港に到着したら、預け荷物の受取場所(ベルトコンベアーの所)かArrival出口近くにあるATMで、クレジットカード(キャッシング)で現地通貨を引出しようにしています。