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航空会社の種類 ~ ローコスト・キャリアの航空料金と追加でかかる費用の実例

      2016/09/12

ローコスト・キャリアとレガシー・キャリア

ここ数年で、日本でもLCCという言葉を耳にする機会が増えています。LCCとは、ローコスト・キャリア(Low Cost Carrier)の略で、格安航空会社を指します。その名のとおり、機内食なしなどサービスを極力、簡素化してローコストで、安い航空料金を提供するという経営方針の航空会社です。

歴史的には、1970年代に米国の航空行政の規制の緩和によりサウスウェスト航空、1990年代の欧州でのEU域内での航空市場統合・自由化によりアイルランドのライアンエアー等が誕生・成長し、200年代初頭にかけてこれら企業のビジネスモデルを受け継いで、他の地域でもLCCは拡大しております。

一方、このLCCに対して、昔から知られている既存の大手航空会社は、レガシー・キャリア(Legacy Carrier)と呼ばれることも増えています。Legacyというと英語では「過去の遺産」という意味合いで、ちょっと皮肉な言い方ですね。

個人的には、ローコスト・キャリアとレガシー・キャリアという言い方よりも、バジェット・エアライン(Budget Airline = 予算を気にした航空会社)とフルサービス・エアライン(Full Service Airline = フルサービスを提供する航空会社)という呼び方のほうが、実態を現しているのかな、と思います。

航空運賃の安さを取るか快適さを取るかは人によって違いますし、同じ地域内でも複数のLCCが就航しており各社の経営方針が異なっているということもあるので、各航空会社のメリット・デメリットを比較して自分にあった航空会社を選ぶことが大事です。

海外の航空会社については、周囲に利用したことがある人がいない場合も多いでしょうから、その場合は、TripAdvisor (トリップアドバイザー)arukikata.comなどの口コミサイトが参考になります。(後者は、ちょっと探しにくいですが、「旅の基本情報」>「世界の航空会社情報」で見つけられます。)

 

バジェット・エアラインとフルサービス・エアラインの比較

では、バジェット・エアラインは、フルサービス・エアラインと比べて、航空料金とサービスは、どの程度違うのか?具体的な予約内容も踏まえて、比較してみたいと思います。

例えば、英ロンドン~独フランクフルト間を、スカイスキャナーで以下の条件で検索してみると、価格の安い方からライアンエアーとルフトハンザ航空のチケットがヒットします。

  • 英ロンドン~独フランクフルト間の往復チケット
  • 往路:月曜日(9/19)の午前中、復路:金曜日(9/23)の午後にフランクフルト発
  • 直行便のみ選択
  • 検索日は9/10で、結果を価格の安い順で並べ替え

ライアンエアーは、アイルランドのダブリン空港とイギリスのロンドン・スタンステッド空港を拠点として、欧州に50拠点を擁する世界最大級のローコスト・キャリア、そしてルフトハンザ航空は、ドイツ最大の国際航空会社であり、世界約91か国、340都市あまりに就航し、世界でも十指に数えられるフルサービス・キャリアです。

それぞれバジェット・エアラインとフルサービス・エアラインの代表格、といっても良い航空会社です。

ryanair-vs-lufthansa

 

バジェット・エアラインは、とにかく安いのは安い

同じロンドン~フランクフルトの往復チケットでも、ライアンエアーの7,628円に対して、ルフトハンザ航空では17,740円とその差は、およそ1万円も違います。

ただし、ライアンエアーは同じ条件のチケットでも価格変動が激しく、残席が少なくなるにつれて価格はどんどん上昇していきます(逆に、空席が多ければ価格はあまり変わらない)。実際、数時間後に同じ条件でチケットを検索すると、価格は8,828円まで上がっていました。

バジェット・エアラインの場合は、早めに旅程を確定できるのであれば、圧倒的に安く航空チケットを手に入れることが出来そうです。

 

利用空港の違い

同じ都市間の移動であっても、ライアンエアーとルフトハンザ航空では、発着空港が異なります。

ルフトハンザ航空では、それぞれヒースロー空港(LHR)とフランクフルト空港(FRA)であるのに対して、ライアンエアーでは、スタンステッド空港(STN)とハーン空港(HHN)となっています。

バジェット・エアラインでは、空港利用料・税を少しでも抑えるために、第2空港や地方空港からの発着が多く、これら空港からの都市部へのアクセスは主要空港と比べて不便であることが多いです。

 

発着便の時間

往路便に関しては、同じく月曜日の午前中という時間指定をしているにもかかわらず、ライアンエアーは7:30発、ルフトハンザ航空は10:30発になっています。

実際、飛行機が7:30発ということは、空港には2時間前の5:30には到着しておきたいところです。この時間に空港に到着するためには、空港近くに前泊するか、都市部のホテルに宿泊するのであれば4時くらいにはホテルをチェックアウトする必要があり、なかなかハードな移動スケジュールになりそうですね。

バジェット・エアラインは、早朝、若しくは深夜の発着枠が割り当てられていることが多くなっています。

 

数多くのオプション料金を取られる

ライアンエアーでは、正味の航空運賃のほかに、以下のようなオプション料金がかかります(£1 = ¥150で計算)。いずれも片道での料金なので、往復だと倍ですね。

  • 預入荷物(15kg/個で+3,000円くらい、20kg/個で+4,000円くらい)
  • 座席指定(席によって+1,000~2,000円くらい)
  • 優先搭乗(+750円/人くらい)
  • 手荷物検査の優先レーン(+500円くらい)
  • 予約確認のemail送信(+200円くらい)
  • クレジットカード手数料(+2%)

また、これらのほかにも、ホームページでの航空券の予約中には、空港駐車場、レンタカー、ホテル、旅行保険、空港内のシャトルバス等の売り込みが何度も出てきて、ちょっと面食らうかもしれません。

 

ペナルティ的な料金も多い

ライアンエアーでは、オプション料金だけでなく、ペナルティー的な追加料金も発生します。私も、予約確認書の印刷と、手荷物の重量・サイズでひっかかったことがあります。

現在、ライアンエアーでは、オンライン・チェックインを義務化しており、事前にWebサイトでのチェックイン、印刷済みの搭乗券を持参し忘れた場合には、手数料が発生する仕組みになっています。

  • 空港でのチェックイン(+6,000円くらい)
  • 搭乗券の再発行(+2,500円くらい)

また、機内持ち込み手荷物のサイズチェックや、機内預け荷物の重量チェックもかなり厳しく、規定を超過すると否応なく追加料金が加算されます。

  • 機内持ち込み手荷物(55×40×20cmサイズのキャビンバッグ、及び35×20×20cmまでのブリーフケースの持ち込みが可能となっていますが、空港に設置されている鉄枠のサイズに通らないと機内預け荷物の扱いにされる)
  • 機内預け荷物(1kg超過ごとに、+1,500円くらい)

さらに、名前変更、予約変更、キャンセル料などは、新しくチケットを買い直しできるくらいの金額がかかります。

 

空港カウンターから搭乗まで

機内での飲食サービスが有料(といっても数百円ほど)なのは推して知るべしですが、その他、ライアンエアーを利用するのであれば、以下のような点には注意しておきたい所です

  • 空港でのチェックインカウンターの数が少なくいつも混雑しているので、かなり早めに到着しないと、自分の飛行機に間に合わないのではないかとひやひやする
  • 渡航先の国によっては、渡航に必要なビザを所有していることを、チェックインカウンターとは別の窓口で証明してもらう必要がある(場所を、チェックインカウンターで教えてもらい、証明スタンプを貰いにいく必要がある)
  • チェックインカウンターが空港の端にり、搭乗口や飛行機までの移動距離も遠い。バス移動は当然のこと、滑走路をあるくこともあるので、天候によっては雨・雪にうたれることがある
  • 機内エンターテインメントはなく、座席がかなり狭くリクライニングがない

 

運航遅延やフライトキャンセル

バジェット・エアラインは、機材を効率的に利用しているため、1度故障や不具合があると後続便に影響がでてしまうため、飛行機の遅延が発生しやすくなっています。

また、事前予約が充分に集まらず、フライトを行わない方が良いと判断された場合には、突然フライトがキャンセルとなる可能性もあり、この場合は、振替などの保証は期待できません。

 

安全性と事故にあった際の賠償金

ドイツのLCCであるジャーマンウィングスや、マレーシアから離陸したエアアジア機の墜落など、バジェット・エアラインの安全性については、やはり不安視されるところです。

参考までに、毎年、国際航空運送協会(IATA)が運営する運航安全監査プログラム(IOSA)や過去30年の重大事故実績をもとに、独自の安全指数を算出・公表している独JACDECの2016年レポートによると、ルフトハンザ航空は12位、ライアンエアーは34位になっています。

JALが9位、ANAが15位という結果も踏まえると、ライアンエアーの34位はやや不安な気もしますが、世界の航空会社総数が数百とも千ともいわれている中では、健闘していると言えるのかもしれません。

ちなみに、航空事故にあった際の賠償金額は、モントリオール条約で定められており、現在、109か国が批准。出発地と到着地の両国が条約加盟していれば、旅客や航空会社の国籍と関係なく適用され、条約が適用されれば、航空会社の過失の有無にかかわらず約1800万円までは賠償を受けられるようです。

ただし、これを超える部分の補償は、航空会社の過失の有無や各航空会社の方針次第であり、また、海外での国内線利用には条約が適用されない(各航空会社の規定が適用される)とのことなので、やはりバジェット・エアラインはこの点では不利になりそうな感じです。

 

まとめ

バジェット・エアラインとフルサービス・エアラインの比較では、大方の予想通り、航空料金だけならバジェット・エアラインが非常にお得ですが、オプション料金や罰金(?)を考えると、総額はそれほど違いがないのでは、という気がします。

旅慣れてくれば、(そして、直行便の短時間フライトで、荷物が少く、旅程に比較的余裕があれば)、バジェット・エアラインでもあまり気になりませんが、予算が許すのであれば、できればフルサービス・エアラインを選びたい、ところですね。

 

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